ワイナリー便り
-2026年3月-
2026年3月は、ブルゴーニュ ルイ・ジャドの畑から。
冬の静けさの中で次のヴィンテージは始まっている
雪や霜に覆われた静かな畑では、すでに次のヴィンテージへの準備が始まっています。春の芽吹きも、夏の成熟も、その土台を支えているのが冬の剪定です。グラスに注がれたルイ・ジャドのワインを味わうとき、ぜひシーズンの始めにブルゴーニュの冬の畑で行われる、こうした見えない仕事にも思いを馳せてみてください。
冬 剪定の季節
寒くなると、ブドウ樹は成長は止め、次のヴィンテージのためのエネルギーを蓄えるために眠りにつきます。ブルゴーニュでは、このブドウ樹が休眠中の1~3月に剪定を行います。剪定はブドウ樹の不要な部分を取り除く作業で、一般的に冬と夏に行われます。冬の剪定は、前年に伸びた不要な枝を切り落とし、訪れる生育期に必要な芽だけを残す作業です。ブドウの生育サイクル全体の起点となるものであり、畑作業の中でも特に重要とされています。冷たい空気に包まれた畑で、ブーツを履き、剪定ばさみを手に、冬のリズムに合わせて作業は着実に進められていきます。
冬の剪定は、生育期に新梢となる芽の数と場所を選択する作業です。残す芽の数は、樹勢などを考慮し慎重に決められます。樹の形は、生育期のキャノピーの管理にもかかわります。冬の剪定は、樹の形を決め、収量をコントロールし、これから実るヴィンテージの品質を左右する重要な役割を果たします。
これらの写真の畑では、ギュイヨ・サンプルと呼ばれる剪定方法をとっています。前年に垂直方向に伸びた長梢から好ましいものを1本選び、水平方向に寝かせ、3つ以上の芽を残します。畑ごとの条件や樹齢に応じて細かな調整が可能ですが、適切な長梢を選び整枝するためには、熟練した多くの人手を必要とします。
剪定作業と並んで、畑では、ワイヤーに絡まった枝を取り除く作業も行われます。この工程はワイヤーをきれいにし、畑を整え、これからの作業が円滑に進められるよう準備をする大切なステップです。
冬の剪定は、収穫から最も離れた時期に行われる作業ですが、その判断は最終的なワインの品質に大きく影響します。ルイ・ジャドは、こうした冬の畑での作業を起点とした一連の生育管理に細心の注意を払い、そのワインにテロワールとヴィンテージを表現しています。
春の訪れ
春の訪れとともに、ブルゴーニュの畑にも少しずつ季節の気配が感じられます。冬の作業できれいに整えられた畑では、朝霧がときおり畝をやわらかく包み込み、やがてゆっくりと晴れていきます。ブドウ樹は冬の眠りからゆっくりと目覚め、畑では再び生育サイクルが動き始めています。
収量に恵まれた2022年、2023年の後、2024年は霜害や雹、多雨により収量がかなり減ったヴィンテージでした。2025年も、ミルランダージュ(結実不良)や熱波の影響で、収量は減りました。毎年、気候変動による読めない天候に対して、人もブドウ樹もさまざまな試練に直面します。2026年はどのようなヴィンテージになるのか、これからのブドウ樹の生育状況を楽しみにしたいと思います。